ヨーロッパ鉄道周遊(4) ヴェネツィア(2015.02.28-03.01)

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暮れなずむカナル・グランデ(Canal Grande)

2015.02.28

Firenze S.M.N. 1330 → Venezia S. Lucia 1535

ES 9422

 

ヴェネツィア(Venezia)散策

 

Rialto → Ferrovia

ヴァポレット2号線

 

ヴェネツィア

Villa Rosa

 

2015.03.01 

Ferrovia → Rialto

ヴァポレット2号線

 

サンマルコ(San Marco)広場,サン・ジョルジョ・マッジョーレ(San Giorgio Maggiore)教会,ゴンドラ乗船,昼食,教会再訪,カフェ・フローリアン(Caffè Florian)など散策

 

Accademia → S. Marco Vallaresso

ヴァポレット1号線

 

買い物など

 

Rialto → Ferrovia

ヴァポレット2号線

昼過ぎのフレッチャルジェント(Frecciargento)でフィレンツェを去り,北東へ約250km,2時間の道のりでヴェネツィアへ入る.こちらはいわば「銀の矢」であり,一部区間は高速専用線を経由していると見え,車内は快適で速達性も良い.本土側の結節点となるヴェネツィア・メストレ駅を出ると,列車は全長約4kmの海上橋,リベルタ(Libertà)橋を渡ってヴェネツィア本島に到達する.

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ヴェネツィア・メストレ(Venezia Mestre)駅を出た列車は海上橋で本島へ渡る
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フレッチャロッサに次ぐ高速列車に与えられる称号

ヴェネツィア・サンタ・ルチア(Venezia Santa Lucia)駅を出ると,目の前にいきなり大運河(カナル・グランデ)が現れる.今でもよく覚えているが,たかが駅前だというのに,異世界に足を踏み入れたかのような感動である.

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駅前はすぐに運河

駅近の宿にひとまず荷物を置いて小休止の後,島内の散策に出かける.路地や水路が複雑に入り組んだ町で,ただ歩いているだけでも町角ごとに多彩な表情が見られ,まったく飽きることがない.今となってはどこをどう歩いたのか,書きなぐったメモもどこかへ紛失してしまい,経路を思い出す術がない.写真を中心として懐古に浸りたいと思う.

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陽が西に傾いてきた
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この町はどこを切り取っても絵になる

色々と歩き回っているうち,何ともう日が暮れてきてしまった.空はずっと晴れている.これはもしや,期待できるかもしれない.例によって,日の出や日の入りの前後に急激に高まってくる撮影欲を抑えられず,妖しい光線を求めてリアルト(Rialto)橋へと急いだ.今朝のミケランジェロ広場とは違って大した下調べは行っていなかったのだが,哀愁漂う黄昏の色彩のうちにカナル・グランデの姿を収めることができた(本記事トップの写真).

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刻一刻と表情を変えてゆく
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ゴンドラに揺られて
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水の都,ヴェネツィア

この日はとにかく島内を歩き回った.写真を撮る身としては興奮は冷めやらない.夕食はサン・マルコ(San Marco)広場近くの店に入ったように思う.宿のある駅周辺へ帰るには歩きだと30分ほどかかるので,ヴァポレットを利用した.島内の重要な交通手段で,使い慣れると便利である.

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サン・マルコ広場の夜景と,漆黒の運河を駆けるヴァポレット

翌朝はサン・マルコ広場周辺から散策を開始.たかが1泊2日ではとても回り切れる町ではない.全体として詰め込みに詰め込んだ旅程なので,今晩には夜行列車でウィーンへ発たねばならないのだ.美術館や宮殿への入場は今回は見送り,欲の赴くまま,町並みの撮影に専念することにした.

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ため息橋.囚人たちは最後に海を眺め,ため息をついたという
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停泊するゴンドラの群れ
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人影もまばらな早朝のドゥカーレ宮殿と,サン・マルコ広場

この町を訪れたからには,ゴンドラには乗っておこう.6人乗りなのでちょうど良い.どこの乗り場かは失念したが,たしか奥まった水路にあるマイナーな一角だったと思う.担当したゴンドリエーレは気さくな人物で,サービスで舟歌カンツォーネ)も披露してくれた.

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船旅を楽しむ
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ゴンドラから眺める景色はまた一味違う

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水上交通

昼は方々に別れて行動.ヴァポレットで海を渡り,下調べしてあった対岸のサン・ジョルジョ・マッジョーレ(San Giorgio Maggiore)教会を訪れた.エレベーターで鐘楼に登ると,本島の素晴らしい眺望が展開する.

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サン・マルコ広場は大賑わい
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そびえ立つ鐘楼,外洋へと続く運河
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ディテールも美しい
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アドリア海の女王と謳われ,栄華を極めた海上都市

昼下がりは再度合流し,柄にもなくカフェ・ラテ発祥の地というカフェ・フローリアンを訪れる.サン・マルコ広場を眺める優雅な空間で,生き急いだような旅行でなければ,こういう場所で暇を持て余しだらだらするのも良いかもしれない.

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カフェ・フローリアンにて
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夕陽に染まりつつあるサン・マルコ広場

そうこうしているうちに,町は再び夕方の表情を見せ始める.アカデミア(Accademia)橋から眺めるカナル・グランデと,サンタ・マリア・デッラ・サルーテ(Santa Maria della Salute)教会のドームなどをカメラに収めた後,再びヴァポレットでサン・マルコ広場へ戻り,ムラーノグラスの土産を買った.酒器としても使えそうな小さな二つのグラスで,独特の螺旋模様と金箔が特徴である.

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アカデミア橋にて
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この町を去るのが名残惜しい

何とも名残惜しいが,そろそろ早めの夕食をとって出発の支度を整えねばならない.間違いなく再訪したい町のひとつである.宿の近くにあったピッツェリアに入って腹ごしらえを行い,きたる国際夜行列車の旅に備えることにした.

 

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