ヨーロッパ鉄道周遊(2) アマルフィ(2015.02.26)

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昼下がりのアマルフィ海岸

2015.02.26

Roma Termini 626 → Salerno 956 (+35)

IC 701

 

Salerno 1000 → Amalfi 1115

SITA bus

 

アマルフィ(Amalfi)散策

 

Amalfi 1515  → Salerno 1630

SITA bus

 

Salerno 1737 → Roma Termini 2034

IC 702

 

ローマ(Roma)泊

San Remo

翌朝もかなり早かった.未明のテルミニ駅から南へ向かうインターシティに乗り込む.振り返ってみるとこの旅は全体として強行日程なのだが,当時は体力が有り余っていたことを感じさせる.5年前の当時は24歳.しかし,さらにその昔は座席夜行に2連泊,その後1日中歩き通して鉄道撮影,など普通に行っていたのだから驚く.悲しいかな,体力のピークはとうに過ぎたのだろう.

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未明のテルミニ駅で発車を待つIC 701列車

まず目指すはナポリ(Napoli)を通り越してサレルノ(Salerno)の町.ローマからは268kmも離れている.インターシティは在来線の特急列車に相当するが,ダイヤ上は3時間を切っており表定速度は80km/hをこえる.標準軌の線路も相まって,客車列車ならではの安定した走行感である.しかし途中で遅延が積み重なり,サレルノには35分遅れで到着.

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険しい断崖に沿って海岸線を進み,アマルフィ

この日の目的地はアマルフィサレルノからはバスでさらに1時間以上を要する.ローマから片道4時間をこえる道のりを何とか日帰りで収めようという旅程で,今から思えばなかなかしんどいのだが,こういう(卒業旅行という)機会でないと訪れることもまずなかろう.駅前からSITA社のバスが出ているので,タバコ屋でチケットを買って乗り込む.列車の遅延のため,ぎりぎりの乗継であった.バスは険しい断崖の道を進み,右へ曲がり,左へ曲がり,幾多もの入り江と岬を通り過ぎてアマルフィへ向かう.かなり酔ってしまった. 

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迷宮のような町

この町は崖にへばりつくように展開している.メインストリートは狭く,あちこちに脇道があって,すぐに階段が続いている.この脇道はアリの巣のように建物の間に張り巡らされている.時おり頭上にのぞく空からは光が降り注ぐのだが,容易に方向感覚を失ってしまう.敵の侵入を防ぐという意味もあったようだ.上を目指して進めば,じきにいささかの眺望が開ける場所までたどり着いた.時代から取り残されて,古くからの町の構造が静かに日常に溶け込んでいるのであった.はて,この日の昼食はどこで食べたのだろう.食後にリモンチェロを飲んだこと,伝統工芸だという手漉き紙の土産を買ったことなどはよく記憶しているのだが.

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アマルフィ大聖堂と,断崖にへばりつく町

海岸へ出ると,早春の碧いティレニア海が広がっている.もっと時間があれば1泊でもして,のんびりと過ごしてみたい町である.

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町並みが鮮やかに浮かび上がる
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海岸に佇む

名残惜しいが,15時台のバスでアマルフィを去り,サレルノまで引き返す.往路は気付かなかったが,断崖の斜面にはレモンを栽培する段々畑がところどころで展開しているようだ.観光地としては名もなき小さな集落が点在しており,ふらりと下車してみるのも楽しいのかもしれない.しかし,次にこの地を訪れることはあるのだろうか.あるとすれば何年後だろうか.旅はいつも一期一会と心得ている.

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サレルノへ帰る道

ローマへはインターシティで3時間弱.帰路は定刻で走ってくれた.東京~豊橋に近い距離を在来線特急と路線バスで日帰り往復するという一日であったが,幸い天候にも恵まれ,大満足のうちに眠りにつく.

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客車列車が幅を利かせるヨーロッパの鉄道

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