随想

晩夏のうわごと

転換点 真夏の雨嵐は過ぎ去った。駐車場からの帰り道,運河の橋上で立ち止まり空を仰ぐと,真夜中に千切れた雲の合間に,いくぶん欠けた月が見え隠れしていた。ああ,この日が来たんだな,と思った。興奮冷めやらぬまま,突如として広くなった寝床に潜り込ん…

春によせて

市ヶ谷 三度にわたる苦難の演習を経て,よもや侵されまいと築いた防壁の,何とあっけなく崩れ去ったことか。外交上も特にやましいことなどなく,一切の内憂外患とは無縁のつもりでいた。それなのに,今回の奇襲である。なぜなのか,思い当たる節がまったくな…

北の鉄路(3) 極致(2015.06.21)

特急北斗星(2015.06.21 瀬辺地~蟹田) 4時37分,陸奥湾は快晴.真紅のED79が青い客車の群れを従えて,生まれたばかりの赤い陽光に鮮やかに浮かび上がった.乗客は,列車内は,どんな朝を迎えているのだろう.目を覚まして見知らぬ車窓に見入る者,あるいは…

開設にあたって

銀世界に雷鳥が舞う(2010.02.20 北陸本線 敦賀~新疋田) なぜ,ブログなのか.実は,中学2年より大学卒業に至るまで,学業や部活動にまつわる日常の記録や,休日や休暇に出かけた旅行ごとの紀行文などを綴るブログ(というよりは日記)を某所で開設してい…